中目黒の駅から5分程商店街を歩くと見えてくる、日本初となるオーガニック野菜スイーツの専門店、「パティスリー ポタジエ」。“potager(ポタジェ)”とは、フランス語で「家庭菜園」という意。その女性オーナーパティシェである、柿沢安耶さんに野菜のスイーツの発想の基点から、その野菜への拘り等についてお話を伺った。 |
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パティシェを志された動機と野菜スィーツの発想は何処から・・・ |
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柿沢 |
私はどちらかというと料理が専門で、レストランに勤務していました。健康をテーマにしたお店を持ちたいという夢は元々あり、栃木県宇都宮で肉や魚を一切使わない、地元の野菜に拘ったベジタリアンレストランをはじめました。当時、ベジタリアンのレストランはたくさんありましたけど、野菜を使ったケーキの店は未だ無く、食材にこだわっている洋菓子店が少ない印象を持っていました。それなら全部に野菜を入れた「野菜スイーツ専門店」なら分かりやすいと考えました。元々、私は東京の出身だったこともあり、昨年「パティスリー ポタジエ」をこちらにオープンいたしました。「体にいいもの、元気になれる、ヘルシーなものをケーキで作りたい」というのが根底にありましたね。野菜スィーツによって、食後も野菜を摂取することが可能になり、野菜を食べる機会が広がることを願っています。 |
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食材への拘りについて |
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柿沢 |
オーガニック(=有機栽培)についての意識は、 日本は遅れていると思います。農薬にしても本来使っていなかった歴史の方が永かったはずです。お醤油等は本来は2年、3年かけて作られてきた 発酵食品だったはずですが、添加物を使ったりして時間をかけずに作ったりしています。「食べる」という行為は「健康」と密接な関係を持つと私たちは考えます。ですから、美味しさを追求するのはもちろんですが、召し上がる方の健康や安全にも配慮することが大切です。当店ではオーガニック野菜だけではなく、小麦粉やタマゴをはじめ、スイーツに使われる食材も厳選し、小麦粉は国産のものを使っています。小麦アレルギー等は悪い小麦を食べているから拒否反応をおこしているとも考えられるからです。可能な限り厳選した自然素材を使用し、スイーツを召し上がるお客様の健康や安全に配慮した食材を仕入れています。野菜については、栃木のレストラン開店当時から様々な分野で、色々な無農薬野菜農家の方達にお世話になりました。農家の方達との触れ合い中で、農業の大切さと素晴らしさも実感し、自分なりになんとか日本の農業に貢献したいという意識も抱くようになりました。 |
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野菜とスイーツの相性で難しい物もあると思いますが。 |
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柿沢 |
野菜スイーツの組み立て方には2パターンあります。1つはトマト、カボチャ、紫芋、人参など、そのまま野菜が主役になるお菓子。もう1つは大根、長ネギ、白菜、牛蒡など、他のフルーツやキャラメル等と組み合わせてスイーツにするものがあります。「ゴボーショコラ」は当店でも大好評なんですが、本当に牛蒡とチョコレートは相性は凄く良いと思います。 |
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女性のパティシェが増えてきた現状について。 |
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柿沢 |
女性のパティシェが増えることは嬉しいことですね。食の分野ではパティシェに限らず女性が活躍できる場所はたくさんあると思います。スィーツの商品開発のような仕事も良いと思いますし、オーガニックとう観点からも女性の方が敏感です。パティシェは女性にとって修行も大変ですが、女性としての感性を活かして、活躍できる可能性は大いにあると思っています。 |
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