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プライムソトワール(味へのこだわり) 料理・洋菓子のレシピ スペシャルインタビュー ソトワールコンシェル 出版図書紹介 フランス料理:用語集 食の雑学事典
官庁の立ち並ぶビル群の谷間にある「ル・プティ・トノー」虎ノ門店。扉を開けるとフランス人のギャルソンが「ボンジュール!」と声をかけてくれる。一瞬にしてフランスの街角にあるビストロにいるかのような錯覚におちいる。
そんなレストランを営むオーナー、フィリップ・バットン氏にお話を伺った。
現在、九段下、虎ノ門、麻布十番と3店舗を展開している「ル・プティ・トノー」ですが、どのようなコンセプトで始めたのですか?
フィリップ・バットン (以下バットン) 
  私が17年前に日本に来日した時は、高級フレンチレストランの人気が高かったのですが、中には適正価格でない店もありました。フランスに行ったことのない日本人は、「フランス料理はこういうものか」と思ってしまう。そこで私は、日本人にフランス人が日常的に通っている店や料理を紹介したいと考えたのです。ワインも気軽に飲んでもらうために、コートデュローヌやラングドックなどから直輸入して安く提供しています。2000円〜3800円の飲みやすいワインを揃えていますので、女性客でも2人で2本注文する方が多いですね。フランス人のギャルソンを雇っているのも、お客さまにフランスにいるような気持ちになってほしいからなのです。店を始めた2001年頃は街場にビストロは少なかったのですが、最近ではフランス料理店も高級店だけでなくリーズナブルなお店が増えてきたことは喜ばしいことです。
女性客が多いのですか?
バットン 昼は約8割、夜は約7割が女性です。パリの人々は、店のカウンターでコーヒーを飲んでから出勤します。日本人にそういう文化を伝えたくて虎ノ門店のみ朝8時にオープンして朝食メニューを始めたのですが、まだあまり浸透していないようです。人通りが少ない土曜日の集客のためにシャンソンやジャズライブなどを無料で行っているのですが、こちらは大変好評です。
日本人のフランス料理に対する感じ方についてはどう思われますか。
バットン フランス人と変わらないと思います。日本人は、フランス料理をよく知っていますから。当店ではすべてのアラカルト料理をタパス(ハーフ)サイズでお出ししていますので、いろいろな種類をオーダーしてシェアする方も多いです。フランス料理のコースでは全員同じ内容を食べなくてはいけない場合もありますが、私はこのようなスタイルにしました。
ブーダンノワールも思い出深いメニューなのでしょうか。
バットン ブーダンノワールは、両親が好きで週1回くらいの頻度で食卓に並んでいました。祖父の家のブーダンノワールは、具材を全て炒めてそのまま食べるスタイルでした。当店では人気があるため、最近グランドメニューに載せたばかりです。
バットンさんおすすめの東京のレストランを教えてください。
バットン フレンチの高級店では銀座「ロオジェ」です。また、青山「ラ・ブランシュ」の田代和久シェフの作る料理は、フランスの味そのものです。イタリア料理もよく食べるのですが、カルミネさんの弟さん、アンジェロさんがオーナーの自由が丘「バッボアンジェロ」がおすすめ。中でもニョッキは私がこれまで食べた中で最高です。10皿は軽く食べられますよ!ぜひ行ってみてください。
最後に若い人へのメッセージをお願いします。
バットン フランス料理に携わる人は、フランスに行った方がいいと思います。フランスの空気や雰囲気を感じることは、料理を作る際にとても良い影響をもたらすと思うからです。
本日はありがとうございました。今後のご活躍に期待しております
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東京都港区虎ノ門2-1-1商船三井ビル1階
電話/03-5545-4640
営業時間/朝8時〜11時30分、
     昼11時30分〜15時、
     カフェ15時〜18時、夜18時〜23時
定休日/日曜日
 

1979年「ラ・トゥール・ドゥ・モンレリ」から料理の世界へ。1981年「ジョルジュ・サンク」に移り、5年間を過ごす。神戸「ラ・バーグ」のシェフとして来日、1年間滞在。再来日し、ロイヤルパークホテル「パラッツォ」のシェフを5年間務める。渋谷のレストラン「エブリーヌ」のシェフディレクターに抜擢。代官山にレストラン「ル・プティ・ブドン」を開店する。九段下の「ル・プティ・トノー」のオーナーとなる。虎ノ門に「ル・プティ・トノー」の2号店をオープン。2006年、麻布十番に「ル・プティ・トノー」の3号店をオープン。活動の拠点を虎ノ門店に置きながら、全国各地のレストランのプロデュースを行い、現在に至る
活動内容
「トックブランシュ・インターナショナル」会員/「ユーロドック」会員/「アカデミー・キュリネール・ドゥ・フランス」会員/「コモンドゥリー・デ・コルドン・ブルー・ドゥ・フランス」/「全日本フランス人シェフの会」会長に就任。フランス政府より、フランス文化を広く海外に浸透させたとして「メリット・アグリコール賞」を受賞
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