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プライムソトワール(味へのこだわり) 料理・洋菓子のレシピ スペシャルインタビュー ソトワールコンシェル 出版図書紹介 フランス料理:用語集 食の雑学事典
フランスで38年にわたり、ミシュランの三つ星に輝くレストラン「トロワグロ」。そのオーナーである、ミッシェル・トロワグロ氏が監修するレストランが、昨年9月にセンチュリーハイアット東京内にオープンした。世界各地の良質の素材をシンプルに組み合わせ、丁寧に仕立てる皿にはトロワグロ氏ならではのストーリーが垣間見える。日本初のトロワグロ氏監修のレストランの厨房を任された、2人の若きシェフにスポットをあててみた。
ミッシェル・トロワグロ氏の料理作りの哲学についてお聞きしたいと思います。
ベカ 先ず、常に料理には良い食材を使うこと、そして心をオープンにして新しいものを取り入れ、自分自身に満足することなく新たな料理に挑戦していく事です。世界各地の厳選素材をフランス料理に取り入れ、食材の持つ優れた旨みを最大限に引き出す。それがシェフ、ミッシェル・トロワグロ氏の料理哲学なのです。
シェフがお二人であるメリットと、オペレーションでの問題点はありますか。
青木 二人のシェフで一つレストランをオペレーションしていくことは、自分としては大きなメリットがあります。それはリオネール・ベカ氏を通してトロワグロのマインドを感じながら料理を作れることです。勿論、コミュニケーションは大切で、私を通してスタッフに料理の出し方などを他のスタッフに伝えるので、それを怠るとオペレーションはうまくいかず、長期的にみて良いレストランにはなれないと思います。
ベカ 青木さんはロアンヌ(トロワグロ)で働いていた経験もあり、私と調理スタッフとの橋渡しをしてくださるので、とてもオペレーションはスムーズに運んでいます。私の役割としてはトロワグロの精神を伝えることと、二人で分担してスタッフをトレーニングすることなので、私にとっては青木さんの存在はメリットしかありませんね。私は以前から、日本の料理文化と料理人の仕事のやり方に凄く惹かれていました。その部分は逆に吸収したいと考えています。
日本に来て印象に残った食材はありますか。
青木 日本には何度も来ていて、しかもロアンヌ(トロワグロ)時代に青木さんからも日本の食材を教えていただき、実際、使ったこともありました。当時から印象的な食材と感じていた食材は「柚子」や「ワカメ」、それと今回来日して発見したのは「魚」の違いです。フランスでは大西洋側の魚なのに対して、日本では太平洋側の魚ということで、その違いは面白いと感じました。それから「舞茸」というキノコが有るのを知り、大変香りが良く美味しいのに驚きました。色々な場面で活用できる素晴らしい食材ですね。
ブランド維持と料理の進化についてどうお考えでしょうか。 また、グランメゾンの料理とは一言で何だとお考えでしょうか。
青木 食材に国境がなくなり、料理がグローバル化しているのは確かだと思います。時代も変りますし、料理も多様化し、味の感覚も進化していています。これからの料理人は自分自身のブランドとスタイルを確立していく意識がないと、方向性を見失う恐れがあります。フランスには色々な三つ星レストランがあります。それぞれ個性がありシェフの人間性が料理に表現されていると思います。私が「トロワグロ」や「レヨン・ド・リヨン」で実際に働き感じたことですが、見た目だけではなく、食材に対する考え方が料理に生かされ、サービススタッフの質も含めて全て一体となっている。それがグランメゾンではないでしょうか。
フランス料理人をめざす若手料理人へのメッセージをお願いします。
ベカ フランス料理人には限らず料理人を志す人達に言いたいのは、料理人とは素晴らしい職業であるということです。様々な困難もあると思いますが、勇気を持って、料理を作る喜びを感じて立ち向かえば必ず解決できるはずです。将来、シェフになっても、それに満足せず、常に新しい料理や食材にチャレンジする意識を持っていただきたいと思います。
大変貴重なお話を頂き、ありがとうございました。お二人の今後のご活躍を期待しております。
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住  所/〒160-0023 東京都新宿区西新宿2丁目7番2号
電  話/TEL(03)3349-0111 (代表)
営業時間/ランチ 11:30〜14:00(LO)
     ディナー 17:30〜21:30(LO)
席  数/ホール 58席/個室 12席
   
 
   


1976生まれ
フランスのミシュラン一つ星レストラン「ギィ・ラソゼ」や「ペトロシアン」で腕を磨く。2002年よりロアンヌの「トロワグロ」でセクション・チーフを務め、2004年からは副料理長を務める。
 
1971生まれ
山の上ホテル、ホテルセンチュリー相模大野のレストランで経験を積み、28歳の時渡仏。フランス・ロアンヌの「トロワグロ」で約2年半修業した後、リヨンの老舗二つ星レストラン「レオン・ド・リヨン」で一年余腕を磨く。2004年帰国後、センチュリーハイアット東京のレストランシェフとして現在に至る。
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